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『秘密の密度』
「ハク秘密ばっかでずるいもん」
まだ帳簿を付けているハクの横で千尋はぷぅ、と頬を膨らませた。
最近、ハクには気になっていることがあった。
それは、千尋の「秘密」。
「何処行ってたの?」と聞いても「秘密。」
何を聞いても「秘密」と返すのだ。
前は、何のことでも普通に話してくれていたのに。
だから
『どうして千尋は私に秘密ばかりするんだ?』
と問いかけてみたのだ。
すると、やっぱりまた。
「秘密!」
しかしハクがそこで折れるわけがなく。
問いかけ、問いかけ、質問攻めにした。
千尋のほうが折れたのか。
ふぅ、とため息をついた。
出てきた、言葉は。
「ハク秘密ばっかでずるいもん」
私が秘密ばかり?
ハクは首を傾げた。
「何故千尋は私が秘密ばかりだと思うんだい?」
「だって・・・!ハクのこと本当はまだ全然知らないような気がするんだもん・・・」
好きな食べ物とか。
お気に入りの場所とか。
好きな色とか。
千尋は、そういったハクの所を知らないのだ。
それを聞いた途端、ハクはふっと吹いた。
「それは「秘密」じゃなくて私が唯そういったものがないからだよ」
好きな色、食べ物、場所は特になく。
千尋の好きなものが、ハクの好きなものなのだ。
しかし唯
これだけは、好き。
「・・・一つだけ好きなものがあるよ」
千尋は顔を輝かせた。
「それは・・・・・・」
千尋の耳元で、そっと呟いた。
”千尋だよ”
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